大理白族民間芸能 大本曲『鍘美案』

9 videos • 38 views • by Bai people's Narrative singing from YunNan China 大本曲『鍘美案』  大理白族の民間芸能である大本曲は、歌い手と三弦の二人で行います。歌とセリフで物語を歌っていきます。日本では浪曲が近いものです。このような芸能は中国では説唱と呼ばれ、19世紀までには中国全土で様々な説唱文芸が行われていました。現在では、中国内地で蘇州の弾詞を除きほとんど滅びています。  「鍘美案」の内容は大体以下のとおりです。  時は北宋・仁宗(在位1022~1063年)の時代、荊州(今の湖北省荊州市)出身である陳世美は、妻の秦香蓮と義父との援助もあり、苦学をして都へ科挙に赴く。しかし科挙で状元(首席)となった彼は、妻と子供二人を捨て、皇帝の附馬(婿)となり、荊州に戻らなかった。彼が帰らない三年間、荊州は飢饉に見舞われた。困窮した秦香蓮は息子・娘の二人を連れて、陳世美を都へ尋ねに行く。都で家族は再会するものの、陳世美は秦香蓮と子供たちの存在を認めなかった。宋の宰相たる王彦齢のとりなしも無視し、陳世美は将軍の趙百春に命じ、母子を殺害しようと図る。しかし趙百春は母子を憐れみ、自刃する。秦香蓮は、開封知府の包拯(包公)に自分の窮状を訴え出る。包拯は陳世美の嘘を見破り、皇太后(老国泰)が、これを押しとどめようとするのを顧みず、ついに陳世美を処刑する。  この物語は、中国では京劇をはじめ地方劇・民間芸能でもおこなわれ、広く知られてています。この映像の曲本(台本)と日本語訳は、立石謙次『大本曲『鍘美案』研究ー雲南白族白文分析』広西師範大学出版社2017に掲載されています。 演唱:王祥 伴奏:孫金堂 撮影日:2013年1月31日 撮影地:中国雲南省大理州喜洲鎮 撮影者:立石謙次